2025年7月27日 (日)

第163回「海程香川」句会(2025.07.12)

万智のイラスト2025、7月(向日葵).jpg

事前投句参加者の一句

     
噎せてひとりの麨(はったい)何時の間に八十路 野田 信章
黄のワンピースゆく華やかな炎天 岡田ミツヒロ
夕焼くるこの手をかえそうと思う 男波 弘志
熱帯魚になり切りましょう熱帯夜 若森 京子
夏草や老医師の言ふかぶれです 吉田 和恵
天翔けてみたき奥伊勢青嵐 樽谷 宗寛
七月や銃声まつすぐの迷路 島田 章平
点描の点なる吾れを大花火 藤川 宏樹
しなやかに鍵盤渡る指は雷 岡田 奈々
手を洗うときの真顔やゆすらうめ 松本 勇二
後の世へ人間として原爆忌 各務 麗至
二人いて弾まぬ会話風も死す え い こ
しわくちゃのシャツにアイロン沖縄忌伊藤  幸
小さきは母の手縫いの浴衣かな 銀   次
けんけんぱ点滴はいつもけんけん 十河 宣洋
無防備の小指ぶつける旱かな 河西 志帆
初茄子この色妣に届けたい 漆原 義典
ことば果て水切りの石沈みゆく 佐孝 石画
火薬庫のしづけさ麦の波青し 小西 瞬夏
闇に走るツーと蛍の草書体 増田 暁子
飼猫も野良も涼みの街の辻 柾木はつ子
顔中でヒソヒソ話毛虫かな 河野 志保
節々が痛そうな家四葩咲く 三好つや子
眼のシャッター閉じ緑蔭に鶏まどろむ 植松 まめ
刺さってる君の一言半夏生 末澤  等
せっかちを追い出すように蟻の道 高木 水志
鳩居堂出でて日傘のもう遥か 和緒 玲子
打水のばつさりわたし斬るごとく 三枝みずほ
紐ほどの蛇居て億年の今日は在り 時田 幻椏
塩鯖の香ばし夕餉楸邨忌 向井 桐華
伝えたくて隠したくておじぎ草 山下 一夫
クロールの抜手に触れる青い空 柴田 清子
歩くこと覚えた吾子よ天瓜粉 綾田 節子
人間は黄色い土の目に太陽 夏 豊原 清明
海賊と山賊の末松の芯 亀山祐美子
雲の峰紙ヒコウキの折れない子 菅原 春み
自由度の高さきそえる立葵 森本由美子
それぞれの火のかたちして慰霊の日 桂  凜火
ごあごあご真夜牛蛙ごあごあご 福井 明子
セーノ・ヨイショ点滴抜かれて夏夜 塩野 正春
蜘蛛の巣の月の雫のありにけり 瀧澤 泰斗
この夏ものりきれそうだ豆腐が美味い 重松 敬子
向日葵は木になりたしと呟ひた 川本 一葉
たんぽぽの飛距離を競う三世代 疋田恵美子
じいっと待つ静かな国の夏蓬 中村 セミ
背徳や出口を探す夏の蝶 大西 健司
鮎泳ぐように配膳床料理 津田 将也
「あつッ」と言えば「あつッ」と君の繰り返し 花舎  薫
夕凪に片恋の和歌つぶやけり 石井 はな
缶切りのきこきこきいこ日の盛 松岡 早苗
原爆忌拳ダンスの写楽貌 河田 清峰
おほかたを忘れし父よ星涼し 大浦ともこ
死ぬ死ぬとぬかしよく喰う古古古米 田中アパート
今日のことみんな忘れて水羊羹 藤田 乙女
雨欲しと空睨んでもカッコウ 新野 祐子
卵大事に手から手にへと朝の虹 榎本 祐子
住み慣れてなおも他郷よ遠花火 稲   暁
天帝の気分損ねし雲の峰 佳   凛
逝く猫の緑眼どこまでも深くあり 田中 怜子
おねだりの口を突き出す燕の子 出水 義弘
尺取の妻とキリストの母と 荒井まり子
溢れるを余生というか夏の蝶 竹本  仰
笑うこと忘れないでと虹が立つ 薫   香
老鶯今わの際は吼えるかも すずき穂波
好きな事しかやらぬ甥明けやすし 野口思づゑ
夕立が今日の私を初期化する 遠藤 和代
宙ぶらりんの悲しみ抱え夏の果 松本美智子
感動のシネマ〝国宝〟花菖蒲 三好三香穂
虹の根つこよ未来圏の風穴よ 野﨑 憲子

句会の窓

松本 勇二

特選句「節々が痛そうな家四葩咲く」。家屋の見立てとして「節々が痛そう」はみごとな発想です。疲れた家屋を紫陽花がもりもり支えています。

小西 瞬夏

特選句「手を洗うときの真顔やゆすらうめ」。「真顔」が何を思っているのかに思いが馳せる。何気ない日常の中にふと訪れる記憶。それによって何かを思いついてしまう瞬間。「ゆすらうめ」がひらがなでゆるりと書かれてあり、そのあいまいな感覚と響き合っている。

十河 宣洋

特選句「黄のワンピースゆく華やかな炎天」。日盛りを行く颯爽としたワンピース。暑い、熱中症などと騒いでいるのが馬鹿らしくなるような爽やかさである。特選句「セーノ・ヨイショ点滴抜かれて夏夜」。私も先日経験した。手術が終わってストレッチャーからベッドへ。看護師が声を揃えてヨイショ。頭には管が付いているのに。麻酔が効いているので痛くはないが。

すずき穂波

特選句「溢れるを余生というか夏の蝶」。この気持ちとてもよくわかる。人生、余生からが面白い。本格的な人生は余生から始まる、と言っても言いすぎではない。視えてきて、立ち上がってきて、身の回り、いや世界が「わたくし」から溢れ、とめどなく溢れくるのだ。イノチとは何か?それを示唆している「夏の蝶」かと思う。

各務 麗至

「黄のワンピースゆく華やかな炎天」。炎天なにするものぞ、との、若い女性の颯爽とした姿が見えて来て、暑さにぐったりしていたのに生気元気をいただきました。炎天そのものを華やかな女性に喩えてともとれて、特選。「虹の根つこよ未来圏の風穴よ」。虹の根、未来、風穴、それこそ戦争や平和を超えた道筋は存在する。現代への批評とも。特選。

岡田 奈々

特選句「噎せてひとりの麨何時の間に八十路」。私も水や自分の唾液で噎せて死 にそうになります。麨は特に小さい頃、祖母や母に気を付ける様注意されました。美味しいんですよね。特選句「無防備の小指ぶつける旱かな」。これまた痛いんです。涙出ます。旱はもっと大変です。昨日から雨が降ってほっとしています。「黄のワンピースゆく華やかな炎天」。素敵なワンピース姿憧れです。特に夏は黄色がひまわりの様に明るくて良いです。「熱帯魚になり切りましょう熱帯夜」。熱帯夜として自由に泳ぐのは楽しそう。水の中はそれほど暑くないのかな。「天翔てみたき奥伊勢青嵐」。奥伊勢の自然の豊かさが人を優しく包んでくれる。「打水のばっさりわたし斬るごとく」。打ち水は一気にまかれて、本当凄い勢いになります。辺りの空気感も変わります。「自由度の高さ競える立葵」。この暑さの中。立葵のシュッとして、花を次々咲かせる逞しさ。自由で良い。立葵が全部咲いたら、梅雨が明けるって言ってなかった?それで今年は立葵を見ないのかな?「ごあごあご真夜牛蛙ごあごあご」。今、威勢良く田圃で「ごあごあ」鳴ってます。「この夏ものりきれそうだ豆腐が美味い」。冷や奴は夏の日本人の味方です。「そうめん啜るいっしゅん思考停止して」。素麺を啜る時は時が止まっています。美味い!

え い こ

特選句は、「鳩居堂出でて日傘のもう遥か」。です。竹久夢二の絵を想像しました。たおやかな女性が、去って行く感じが大正ロマンです。

佐孝 石画

特選句「夕焼くるこの手をかえそうと思う」「夕焼くるその手をもらおうと思う」。「夕焼くるこの手をかえそうと思う」の句を見た時の衝撃と残像感が強すぎて、しばらく他の句が頭に入らなかった。しばらくして脳も落ち着いてきたところで、「夕焼くるその手をもらおうと思う」に。「ああ同じ句が出てるな」と思ったところ、よく見てみると「かえそう」が「もらおう」に換わっている。先ほどの衝撃が強かったので、こちらはどうかとも思ったが、「もらおう」にも広がりがありそうだ。己自身の手をあたかも他者の物として、かえしたりもらったりする。それは夕焼の圧倒的な迫力に対する、卑小な自分への自虐、諦観が呼び起こした他者感覚だったのだろうと思う。「かえそうと」には、「手」という人間の象徴的な進化器官、脊椎を湾曲させ四足歩行から二足歩行に切り替えたことで、「手」という道具を開放した人類の歴史の結果への自省も見えてくる。プライベートな「手」と人類がみな使用してきた「手」が夕焼の中でジャミングする。ウクライナ、ロシア、ガザ、イスラエル、イラン、アメリカ、中国、そして日本と同じ人類同士が自らの「手」で生み出した殺人兵器で牽制し合うおかしな世界。夕焼を浴びながら、自分のものを含め、そんな「手」を「かえそうと」ふと思ったのだ。そして少し間をおいて、お互いに触れ合い慈しみ合える「手」を、「もらおうと」あらためて思ったのだろう。しかし、「かえす」か「もらうか」は最後作者が選ぶしかないのですが。「向日葵は木になりたしと呟ひた」。好みの幻想風景です。でも無理に文語にすると間違いも起きます(「呟ひた」には無理があり。「呟きぬ」or「なりたいと呟いた」でもいい)。「呟く」が「なりたし」との重複感があるので、「向日葵は木になりたい」だけで句として成立するかもしれない。

増田 暁子

特選句「住み慣れてなおも他郷よ遠花火」。故郷はいつまでも特別です。遠花火がぴったりで余計に郷愁を感じます。「蜘蛛の巣の月の雫のありにけり」。綺麗な句ですね。月の雫がまるで残っているなんて。

樽谷 宗寛

特選句「鮎泳ぐように配膳床料理」。床料理・・奥伊勢、吉野、貴船? 川床料理を想像しました。鮎泳ぐようにと配膳される人を擬人化なさつたことに共鳴しました。涼しげです。

藤川 宏樹

特選句「クロールの抜手に触れる青い空」。30代、夢中のトライアスロン。「ヨーイ、ドン」で腹蹴られるは背中乗られるは。クロール掻く手にはクラゲが掛かる。沖合でようやくペースを取り戻すと、抜手に雫が青空に煌めいた・・・ような気がする。40年も前の夏のあの感覚を思い起こさせていただいた。

津田 将也

特選句「おほかたを忘れし父よ星涼し」。厚生労働省の発表によると、2020年起点の日本人の平均寿命は、女性が八七・七四歳、男性が八一・六四歳で、いずれも過去最高を更新しているとのことです。数年前よりさまざまな場面で、「人生百年時代」というキーワードが聞こえてきますが、人々がこの言葉に対して抱く気持ちは、一概に「喜ばしい」ことだけではないでしょう。長生きすることに不安を感じていることが多いことが、私には理解できます。こうした社会背景の中、今後、「より健康に、より長生きする」という価値観から、「長生きならずとも、より良く生きる」価値観への転換が起こってくるかもしれません。「長寿社会から、ほどほど長寿社会へ」の社会づくりを、私は期待しています。

柴田 清子

「夕焼くるこの手をかえそうと思う」「夕焼くるその手をもらおうと思う」。『この手』の句であっても、『その手』の句であってもいい。作者の捕らえた夕焼は、歳時記の枠からはみ出していて、案外、夕焼そのものが、この作者自身だと思った。この句の前で、暫く立ち止まった。特選と思った。「流星や水平から空海(野﨑憲子)」。流星と水平でもって空海そのものが詠はれていて、確たる一句に仕上っている。七月の特選とした。

塩野 正春

特選句「それぞれの火のかたちして慰霊の日」。沖縄慰霊の日の事、“それぞれの火のかたちして” の表現に打たれました。皆様それぞれ生きておられて生活をされていた方々がある日突然命を絶たれるという悲劇、お一人お一人のご冥福を祈らずにはおれません。特選句「老鶯今わの際は吼えるかも」。元気なお年寄りの句でしょうね! 今わの際、大事にしてくれなきゃ何しでかすか・・・とか脅すんだよな。私もちょっとだけこんな気持ちあります。大事にしてくださいよ。

出水 義弘

特選句「青葉騒生きた出会った皆に感謝(疋田恵美子)」。戦後生まれの、団塊の世代とか、現代っ子とかで括られた、同時代を熱く、騒々しく生きてきた者たちへの心情に共感を覚えた。特選句「歩くこと覚えた吾子よ天瓜粉」。風呂上がりに、歩き始めの、きゃきゃと言って逃げる幼子を、にぎやかに追いかける昭和の母親の喜びが良く表わされていると思います。♡20年ほど前に、NHK文化センターで、津田先生のご指導を受けて学び始めました。途中、腰椎椎間板ヘルニアなどで、文字通りに足腰が立たない時期があり、中断しながらも、62歳で再就職するまで続けました。2年前に75歳で退職した後に心臓の手術を受け、最近では体力にも自信が戻ってきたため、俳句をまたやってみようという気持ちになりました。15年のブランクがあり、基本的な知識や新しい動向にも疎い状況です。「80歳の手習い」で再出発したいと思います。どうぞよろしくお願いします。

大西 健司

特選句「住み慣れてなおも他郷よ遠花火」。わたしは一度も生家を出ては暮らしたことはないが、この疎外感は理解出来る気がする。特選句「火薬 庫のしづけさ麦の波青し」。「麦の波青し」と実に小気味良く書き切った。不穏な火薬庫の不気味な静けさのなか、故郷の麦は青々と育っているのだ。上質な現代俳句のひとつの典型。さすがの一句。

桂  凜火

特選句「住み慣れてなおも他郷よ遠花火」。とても素直な句ですが、そのためダイレクトに思いが伝わる良い句だなと思いました。実感としてよくわかる。遠花火も効果的かと思いました。

漆原 義典

特選句「束ねてもあまる黒髪夏帽子(稲暁)」。若々しさが句全体にみなぎっています。素晴らしい句をありがとうございます。以上よろしくお願いします。

和緒 玲子

特選句「節々が痛そうな家四葩咲く」。傍から見ても余り人気を感じない家なのだろうか。もしかしたら見る側が何となく不快さを感じる傾きのようなものがあるのかもしれない。けれども紫陽花は野放図に咲いている。梅雨の時期は古傷が痛んだりぼんやりと頭痛がしたりと人間にままある事だが、それをそのまま家に投影して捉えた視点がとても面白い。家と紫陽花の景はもちろん梅雨空の重たさまで見えてくる。

中村 セミ

特選句「闇に走るツーと螢の草書体」。上記の内容を誠にかってながら、ホテルシリーズで解読します。そのホテルは、本道から、西へはいったところに、棺から白い衣をきたひとが立ち上がったみたいに、三階建てで立っていた。通された部屋は和室だった。灯りをつけると、三面鏡の椅子が、部屋の真ん中で、蹴られたように、横になっていた。つかれたので、ベッドでよこになり、しばらく一日のことを、考えていると、何故か天井に大きな、梁が走っている。うっすら眠ったとおもったとき、私の身体が急におきあがり、小さな椅子の上にたち、梁からつられた、首吊り用のロープに、首をとおし、脚元の椅子を蹴った。その時窓に、蛍がそう書体を描きとびさった。

三好三香穂

特選句「ごあごあご真夜牛蛙ごあごあご」。ごあごあごのオノマトペが秀逸です。

花舎  薫

特選句「黄のワンピースゆく華やかな炎天」。焼けるように強烈な炎天下を鮮やかな黄色いドレスが突き進んでいく。その闊歩する姿は眩しい光に負けないほど華やかで清々しい。夏という季節の明るさと強さを表現した一句。「ゆく」が効果的。

銀   次

今月の誤読●「パラソルの下に女の母の顔」。どこのゴミ箱から拾ってきたのか、ぼくのうちには小汚い日傘がある。母さんが愛用している日傘だ。もともとは白かったのだろうが、色は灰色にくすみ、骨はゆがみ、レースの部分がところどころ破れている。ぼくが「捨てなよ」と言っても母さんは聞く耳を持たない。外出するときは常にその日傘を差して出かける。母さんが言うには「この傘を差してるとなんとなく若くなった気分に」なるそうだ。そういえば、とも思う。その傘の下で見る母さんは、肌に張りが出、目はひときわ大きく、唇はいっそう引き締まって見える。影になっているからか、シワも目立たない。あるときなどはお店の女店員から「ご姉弟なんですか?」と問われ「うふふ」と笑い返したこともあった。さすがにぼくはイヤな気がした。その喜んでいるさまが生臭く感じられたからだ。高校生のぼくと姉弟だなんてお世辞もいいところだ。それを真に受ける母さんも母さんだ。以来、ぼくは母さんと出かけるとき、できるだけ離れて歩くことにした。あるときのことだ。母さんのはいている靴のヒールが折れて転げそうになった。「あぶない」と手を出すと、ヒザをついた母さんがぼくを振り返った。ぼくは「あっ」と叫んだ。というのも、まぶしい日差しのせいか、母さんの顔はまるでマネキンのようにテカテカと輝き、目は黒光りに光り、唇は血のルージュを塗りたくったように真っ赤だったからだ。母さんは甘えるような声で「見られちゃった」と言った。ぼくは二三歩あとずさりし、ツバを飲み込んだ。「見られちゃった」そう言ったはずだ。だが母さんの口は閉じられたままだった。

男波 弘志

「ごあごあご真夜牛蛙ごあごあご」。こちらは兜太先生の名句を下敷きにしているのだろう。それにしても、人の耳は様々な音声に聴きとるだけの能力がある。そのことに感心してしまう。秀作。

河西 志帆

特選句「夕焼くるこの手をかえそうと思う」。「夕焼くるその手をもらおうと思う」の句もこの方の句なんでしょうね。やはり、もらおうと思うより、かえそうと思う。こちらを頂きました。なんか、不思議な感覚のこの句に惹かれました。「節々が痛そうな家四葩咲く」。家も節々が痛そうとは、なるほどです。人間の私もそうですよ。「住み慣れてなおも他郷よ遠花火」。この感覚はよ〜くわかります。両親ともに疎開してきた土地でしたから、そこで育った私たちもこんな感じでした。そしてまたこんなに遠くなりました。

島田 章平

特選句「鳩居堂出でて日傘のもう遥か」。「鳩居堂」と言う固有名詞の取り上げ方が巧み。多分、高齢のご婦人だろう。強い日差しの中で足早に過ぎる後ろ姿までよく見える。

若森 京子

特選句「顔中でヒソヒソ話毛虫かな」。この簡明な一句から人間の本質的な姿を見た様な気がした。ヒソヒソ話をする顔が毛虫に見えてくるのも不思議。「顔中で」の上五の言葉の表情の妙であろう。特選句「それぞれの火のかたちして慰霊の日」。沖縄の慰霊祭の映像を見ていると、それぞれの多くの犠牲者には人生があった。それが火のかたちに、の措辞はぴったりと一句に表現している。

伊藤  幸

特選句「黄のワンピースゆく華やかな炎天」。できることなら籠っていたい猛暑の連日、「待ってました‼」とばかりに若さがはち切れそうな黄色のワンピースで闊歩する姿が連想されます。華やかなという措辞は炎天の太陽でさえ負けてしまいそうです。特選句「 それぞれの火のかたちして慰霊の日」。言わずと知れた「沖縄忌」、計り知れない現地の人々の悲しみ怒り。日本兵がアメリカ兵がと非難する前に「戦争反対‼戦争反対‼」と叫びたい。世界のあちこちで絶えない戦争。人間の命の尊さを分かって欲しいと願います。

三好つや子

特選句「選挙戦ビニールのように夏暮れる(桂凜火)」。カラフルな色が噓っぽく、燃えると臭いビニールが、へらへらと空しい選挙演説と重なり、現代社会を巧みに捉えています。特選句「それぞれの火のかたちして慰霊の日」。沖縄での激しい銃撃戦で、命を落とした人々への鎮魂句。沖縄に刻まれた永遠に癒えることない哀しみと、私たちはどう向き合えばいいのか、考えさせられました。「尺取の妻とキリストの母と」。四角四面に物を考える夫、気高すぎる息子のいる女の気持ちって、正直どうなんだろう?そんなことを思わせる、意表をつく表現がたまらなく深い。今回の一三八句の中で、最も注目した句。

岡田ミツヒロ

特選句「しなやかに鍵盤渡る指は雷」。ゆったりと「しなやかに」の出だしからビシリと「雷」での締め、あたかも水が滝の上へ流れ、そして落下する一連の動きを彷彿させる。流麗で力強い一句。特選句「火薬庫のしづけさ麦の波青し」。青々と波打ち、日々生を謳歌するような青麦のざわめき、その青麦の大地を瞬時に焼野原と化す「火薬庫」の存在とその無機質の静けさ。まさに、今の日本の姿とも。「火薬庫」の呪縛からの解放こそが身を護る力を与えてくれる。

福井 明子

特選句「それぞれの火のかたちして慰霊の日」。慰霊の日、幾人もの人々が共に 手を合わせ拝礼する様子が浮かびます。灯された幾本もの蝋燭の火を「それぞれの火のかたち」と、平易なことばで表しているところに魅かれます。逝った人々の悲しみや怒りや理不尽、それを悼む人々のすべてを包み込んでいる一句に出会えました。

野田 信章

特選句「節々が痛そうな家四葩咲く」。「節々が痛そうな家」―何とも、この軽妙な言い回しがよい。「四葩咲く」―この花の形状の際立ちと相俟って、その土地や家に住み古りた居心地のよさが自ずと伝わってくる。わが身を労わるようにである。

野口思づゑ

特選句「噎せてひとりの麨(はつたい)何時の間に八十路」。17文字に、作者 の今の症状、暮らし向き、年齢、そして季語を見事に取り入れそれだけで読み手には作者の心情までが伝わってくる、とても巧みな句だと感心いたしました。特選句「選挙戦ビニールのように夏暮れる」。「ビニール」の特に暑さでグニャとした感触が、言われてみれば夏のくたびれ感をよく表現しており現在の不安定な社会での選挙戦とよくあいまっている。

河田 清峰

特選句「天翔けてみたき奥伊勢青嵐」。もう一度行きたい奥伊勢へ。吟行ありがとう!

松岡 早苗

特選句「手を洗うときの真顔やゆすらうめ」。幼いお子さんが、外から帰ってき て一生懸命手を洗っている様子でしょうか。ふっくらしたほっぺやかわいい小さな手が目に浮かび、「ゆすらうめ」の小さな赤い実と素敵に響き合っていると思いました。特選句「クロールの抜き手に触れる青い空」。夏空とプールの水しぶきの眩しさが鮮明でした。中七の、「抜き手」のクローズアップから、その手が空に「触れる」と言い切る表現も素敵で、臨場感がありました。

植松 まめ

特選句「天翔けてみたき奥伊勢青嵐」。雄大な景が見えてくる。伊勢熊野また行きたいなあ。特選句「缶切りのきこきこきいこ日の盛」。暑い昼よく冷えた蜜柑の缶詰を缶切りで切るとききこきこと暑苦しい音がするが開けて食べれば暑さも吹っ飛ぶ。きこきこきいこが効果的だ。

薫   香

特選句「打水のばつさりわたし斬るごとく」。あまり見かけなくなった打ち水の音まで聞こえてきそうです。特選句「クロールの抜手に触れる青い空」。青い空と共に、元気よく泳いでいた頃を思いだしました。

柾木はつ子

特選句「背徳や出口を探す夏の蝶」。何を持って背徳とするのかは人によって違うと思いますが、この酷暑の中を贖罪のようにさ迷う蝶(私達人間)の哀れを思います。特選句「夕立が今日の私を初期化する」。ザーッと降ってきて全てを洗い流す夕立。叶うなら私自身を初期化して生まれたての赤子にして欲しい。夕立と「初期化」の取り合せが素晴らしいと思いました。

河野 志保

問題句「夕焼くるこの手をかえそうと思う」「夕焼くるその手をもらおうと思う」。夕焼との謎めいた交歓のひととき。二つ合わせて一句ということだろうか。戸惑いと新しさを感じた。

田中 怜子

全体の感想は年をとったことへの詠嘆と、離れた故郷を思う句が多いな、と。皆年齢を重ねていること、不安定な流動的な世の中、戦争で苦しんでいる人たちがいるが無力であることへの表れかとも思う。そういうなかで、淡々と日常生活を営んでいる中での出来事を詠った。特選句「噎せてひとりの麨(はつたい)何時の間に八十路」。飲み込む力、嚥下機能の衰えを詠んでいるんですね。つばを飲み込む練習をしてくださいね。特選句「クロールの抜き手に触れる青い空」。気持ちいいですね。もうただただ青い空に抜き手が吸い込まれるような、大きくて、すかっとします。昨今、プールの閉鎖が続いているというニュースを聞いてますが、この句は海でしょうね。こんな海と空の中で泳いでみたい。そんなことできないけど。

新野 祐子

特選句「紐ほどの蛇居て億年の今日は在り」。地球という惑星の悠久の歴史を改めて想像させられました。特選句「しわくちゃのシャツにアイロン沖縄忌」。普段シャツにアイロンなどかけないけれど、作者にとって沖縄忌というのは極めて特別の日なのですね。伝わってきました。問題句「夕焼くるこの手をかえそうと思う」「夕焼くるその手をもらおうと思う」。対になっている句ですね。作者は同じでしょう。一読して「これ、何?」と妙にひっかかりました。作者より解説していただきたいです。よろしくお願いします。

(作者の男波弘志さんに自句自解をお願いしました。)「夕焼くるこの手をかえそうと思う」「夕焼くるその手をもらおうと思う」。先ず言えることは、この一行詩が2句並んでいるときと、全く離れている時では表情が異なるでしょう。二つ並んでいるときは顕かに誰かとの遣り取りでしょう。そうなると登場人物は読み手が自由に膨らましてもらえればいいでしょう。つまり、この、は自分、その、は他者、そのために使い分けております。次にこの二つの一行詩が単独で存在している場合はまた違う風景が顕れてくるでしょう。殊に、かえそう、をひらがなにしているのは読み手に全てを委ねるためです。返そう、帰そう、還そう、各々の物語があるでしょう。仮にこれを、還そう、と読んだならばその手はもう彼岸にあるでしょう。だからその物語は読み手の数だけあるんでしょう。また、もらおう、の方は誰の手でしょうか、人間でしょうか、仏手でしょうか、祈りの手なのか、生身の手なのか、強欲の手、なのか 救いの手、なのか、それはもう作者にすらわからないのです。もうこれは抽象、暗喩の世界ですから写生画のように風景も精神も止まることはないでしょう。新野祐子さんによろしくお伝えください。いい機会を頂きました。誠にありがとうございました。 

榎本 祐子

特選句「雲梯に影を残して夏の兄(松本勇二)」。雲梯に残っている兄の面影。夏の光の中の健やかな兄の姿が甦る。

山下 一夫

特選句「手を洗うときの真顔やゆすらうめ」。手を洗うとき何かを思い出したり考え事をしていたりすることはあるかもしれませんが、まず表情は出していない、つまり取り繕っていません。ありふれて控えめながらたわわに実をつけるゆすらうめの斡旋がとてもきまっています。特選句「好きな事しかやらぬ甥明けやすし」。明けやすいのは若い時あるいは人生かと。そういう観点から好きな事しかやらないことを肯定している様子。甥という斜めの関係性であるがミソで縦関係の子であればそうも言えまいなどと考えさせられます。問題句「蝉まだ鳴かぬ木々の前進沖縄忌(野田信章」。「前進」のところが難解です。植物である木々に動物性の暴力の対極を見てそれを進めるべきという含みがあるでしょうか。ところで、今年は七月の冒頭から真夏の気候なのに蝉が全く鳴いておらず不気味です。蝉が鳴き出すのは七月中旬かららしいので、梅雨明けが早過ぎたことでギャップが目立ったのかもしれません。不吉なことの前兆ではないと思いたいです。

疋田恵美子

特選句「天帝の気分損ねし雲の峰」。天帝が時の人トランプに思えて、雲の峰の季語も良いと思いました。特選句「溢れるを余生というか夏の蝶」。幸いっぱいの作者が居て、大型の夏蝶キアゲハ・クロアゲハ等の飛び交う山荘、お庭が思い浮かびます。

高木 水志

特選句「向日葵は木になりたしと呟ひた」。堂々と咲いている向日葵でも木になりたいと思う時もあるのではないかと思って共感しました。

吉田 和恵

特選句「七月や銃声まつすぐの迷路」。迷路を抜けるには即時停戦、そこからしか始まらないと思う。

末澤  等

特選句「夕立が今日の私を初期化する」。酷暑の今年は、瀬戸内では夕立がほとんど見られませんが、夕刻の雨が一日にあった。すべてを洗い流してくれると思うことによって、心が穏やかになれるような気がする良い句だと思います。問題句「友逝きて黒薔薇つよく香りけり」。黒薔薇の花言葉には、「永遠の愛」など深い愛情を表すものと、「憎悪」「恨み」などネガティブな意味を持つものの二面性があります。このためこの句では、逝った友に対してどちらの感情を持っているのか、また二面性の感情を持っているのか、読み手としては複雑な感情に苛まれました。それが狙いだったかもしれませんが・・・。

三枝みずほ

特選句「夕焼くるこの手をかえそうと思う」。人間の手は様々なものを生み、育ててきた。その日々を一心に紡いできた。だが、生活の中で救えるはずのものを見過ごした事、悪意を持ってしてしまった事、この手が全く清らかであると言える者はいないだろう。夕焼けに手を明け渡し、出生した時の手となる。詩の中では再生も転生もできる。

荒井まり子

特選句「しわくちゃのシャツにアイロン沖縄忌」「原爆忌拳ダンスの写楽貌」。今年も八月がくる。沖縄忌、原爆忌を風化させない様にしなければ。団塊の世代だから、あと何回八月を迎えられるか。孫たちの世代に伝えられてはいない。

(三好つや子さんの「尺取の妻とキリストの母と」へのコメントを受けて、作者の荒井さんに自句自解をお願いしました。)以前テレビで母子像を見てマリアの視線に驚きました。不安と戸惑い。すべての母親の我が子に対する愛情ではないでしょうか。そういった意味で立場は同じではないのかと。 単純な軽い句ですので活字されるのはお恥ずかしいです。色々とありがとうございます。

菅原 春み

特選句「総会月や物言う人のオムライス(大西健司)」。さぞやガツンとステーキでも食べそうな人が、柔らかいふわふわオムライスを食べるとは。俳味があります。特選句「火薬庫のしづけさ麦の波青し」。ウクライナでしょうか。火薬庫の物言わぬしづけさと、麦の波の取り合わせで戦の不気味さをさらに感じさせられます。

稲   暁

特選句「向日葵は木になりたしと呟ひた」。擬人法もここまでくれば立派だと思います。楽しい句です。問題句「ゆふやけの砂浜さようならカフカ」。何かあるに違いないが、その何かが分からない。どなたか教えていただけませんか。→ 作者、島田章平さんのメッセージ「 『海辺のカフカ』(村上春樹)をどうぞ、お読みください。

石井 はな

特選句「熱帯魚に成りきりましょう熱帯夜」。成る程です。熱帯夜が辛いのは、その暑さが身体に合わないからでした。熱帯魚なら熱帯夜は気持ちの良い温度なんですね。眼から鱗でした。自分の基準で決めつけては辛いだけだけど、いろんな立場や考えが有るんですね。 これが誰かには心地好いと思えば、少し暑さも軽くなります。

松本美智子

特選句「クロールの抜き手に触れる青い空」。この夏も水泳の監視役を何度かしました。プールの水面と晴れ渡った空を「ピカッ」と一瞬で思い出させてくれる臨場感のある句だと思いました。

竹本  仰

特選句「しわくちゃのシャツにアイロン沖縄忌」:沖縄忌が軍国日本の縮図だっ たように、ずいぶん酷いことが行われたらしい。それは満州でも東南アジアでも。沖縄忌を営みつつ、軍備の着々とすすむ沖縄の実態、間に合わせもいいところ。南北朝の大騒乱を「太平記」と名づけたようなセンスをここにも感じた。特選句「小さきは母の手縫いの浴衣かな」:この浴衣は作者のものでしょうか。こんな小さいものを骨を折って懸命に縫ってくれたんだなと、今さらながらひしひしと伝わってくる母のその時の表情を思い浮べているのではと思いました。特選句「背徳や出口を探す夏の蝶」:何が背徳なのかは明らかにせず、生の実態を見つめ思わずつぶやいたものかと推測します。本性の悪というものがあるから常に危機に陥らざるを得ないのか、生の突破口を探すがゆえにいつしか悪にとらわれなければならないのか。そんな生きることのもつ矛盾について書いたものかと思えました。

綾田 節子

特選句「熱帯魚になり切りましょう熱帯夜」。そうですよね、なり切ったら涼しそうですね、映像が浮かびます。 特選句『七夕竹「いつまで生きたらいいのですか」(岡田ミツヒロ)』。暑いと高齢者はそうも思うのでしょうが、贅沢です 。幸せな呟きです。気持ちは分かりますが、お互い頑張りましょう。

向井 桐華

特選句「金魚草金魚ほたりと手に泳ぐ(福井明子)」。こどもの頃見た光景が広がった。『ほたりと』が金魚草の揺れるさまと金魚の泳ぎとをつなぐ措辞となっていて素晴らしいと思いました。

森本由美子

特選句「握り鮨さびしい人の集う国(山下一夫)」。客の立て込む時間を避けて、一人でふらっと入ってくる馴染みの客。カウンターに背中の力を抜いた姿は、一抹の寂しさや孤独を漂わせている。近くに座ろうなどとは決して思わない。自分も似たような人種だろうから。上五に握り鮨をおいて、日本の現代社会の一面を描いている垢抜けた句だと思う。

佳   凛

特選句「クロールの抜手に触れる青い空」。空に触れるわけでは、無いけれど 意気込みが触れている。素晴らしい表現とおもいました。

野﨑 憲子

特選句「雨欲しと空睨んでもカッコウ」。この夏の暑さに、どれだけ空を睨んだことか・・・。炎帝の化身のような入道雲が見えるだけ。そこへカッコウという、逞しき托卵の鳥の斡旋による溢れる詩情はどうだ。尾崎放哉の世界にも通底している白鷹の風に共鳴した。

(一部省略、原文通り)

袋回し句会

えんぴつを動かせ鯰になっちゃうよ
三枝みずほ
笑うまで追いかけて来る鯰かな
三枝みずほ
髭ぴくりウッフンエッヘン鯰かな
三枝みずほ
ひょっこりと鯰顔出す河馬の池
島田 章平
火焔土器の炎のなかの鯰かな
野﨑 憲子
醒めよ人類天の鯰の地団駄
野﨑 憲子
過去帳を繰るや鯰の咆哮す
和緒 玲子
鯰とや鯰でなかったどうしよう
各務 麗至
鯰跳ね水面に青き穴が開く
銀   次
鶏頭
今生は逢えぬ言葉か鶏頭花
野﨑 憲子
鶏頭に吠えたる犬の青き舌
銀   次
疎に密に鶏頭子午線を跨ぐ
和緒 玲子
乱暴で詩心なしで葉鶏頭
藤川 宏樹
鶏頭が黄色のネオンと混ざる道
中村 セミ
災難だと思つて聞いてください赤のまま
野﨑 憲子
赤鱝(えい)の切り身になりてなほ動く
島田 章平
赤風船もらうあの角までの足 
三枝みずほ
金曜の赤シャツ干してゐる葉月
藤川 宏樹
稲妻の逆光赤き灯台
銀   次
水槽を赤えい笑ひつつ上る
和緒 玲子
赤いポスト戦の記憶ありにけり
野﨑 憲子
青田
青田ゆく弥生の人とすれ違う
銀   次
青田風そこから一歩も動かない
各務 麗至
青田風渡り切れない夜がある
三枝みずほ
軽い気分にプラシーボなる青田風
岡田 奈々
火手(ほて)かざし青田道ゆく子らの声
島田 章平
半夏
居るとゐないで空気が違ふ半夏生
各務 麗至
書きさしの手紙半夏の雨しとど
和緒 玲子
渦巻いて藍のときめく半夏かな
野﨑 憲子
雨戸開け手を差し出すや半夏生
銀   次
半夏生満中陰志珈琲味
藤川 宏樹
半夏生に粘りつく道井戸の蓋
中村 セミ
趣味全部捨ててサッパリ半夏生
岡田 奈々
半夏生うどんを打ちて昼餉とす
三好三香穂
和やかな句会の真昼半夏生
島田 章平

【通信欄】&【句会メモ】

猛烈な暑さの中、7月12日の句会には、12人の方がふじかわ建築スタヂオに集まりました。事前投句の合評に、袋回し句会に楽しく豊かな時間を過ごしました。コピー機が、この暑さで不調でしたが、そのアクシデントもまた句座を盛り上げる因となり充実した句会になりました。藤川さん、お疲れさまでした。今後ともよろしくお願いいたします。

第7回「海原賞」に本会の三枝みずほさんの受賞が決まりました。今回は一人受賞で、たくさんの選者が彼女を一番に推していました。おめでとうございました。これからも、じっくりゆっくり楽しみながらお創りください。ますますのご健吟とご活躍を祈念申し上げます。

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